軒天の役割とおすすめの色
築年数が経って外観の劣化が気になりだすと、そろそろメンテナンスしたほうがいいかな…?と、塗装を検討し始めます。家の見た目が気になると、ついつい外壁の色にばかりに目がいってしまうものです。外壁の色は家の第一印象にもなりますので、とても大切な要素となりますが、それ以外にほんの少し意識するだけで家の見た目がグッと変わる場所があります。・・・それは軒天です。日頃、軒天を意識することはあまり無いかもしれませんが、軒天の色を変えるだけで家の印象は大きく変わってきます。今回はこの軒天についてお話をしていきます。
軒天(のきてん)とは・・・
外壁から外側に飛び出ている屋根の真下部分の事を言います。建物の外側に出ている天井部分ですね。ほかにも玄関ポーチの庇や、バルコニーの下側など家の中で意外と多く出てきます。
家は下から見上げることが多いので、日頃あまり意識していなくても意外とよく見える場所です。例えば、道路から家を見た時、正面ではなく下から家を見ることが多いですし、家に出入りする時も家の下側から見上げることになります。このように軒天は思っている以上によく見えている場所になります。この軒天を意識してみると家の雰囲気というのは大きく変わってきます。
※軒天は他に軒裏(のきうら)、軒先(のきさき)、軒天井(のきてんじょう)とも呼ばれます。軒天は外壁や屋根とは別に破風板、雨樋、鼻隠しなどと一緒に「付帯部」と呼ばれており、外壁や屋根と別に塗装します。
軒天の役割
1.美観性の向上
軒天は建物の美観をよくする役割があります。
もし軒天に何も施されていなかったら…見上げた時に屋根の素材がむき出しになってしまい、美観を損ねてしまいます。屋根の裏側に軒天を張る事で屋根の構造部分を隠して美観を保つことができます。中には軒天に化粧垂木を取り付け、見栄え良くされているお住まいもあります。
2.屋根裏の換気
軒天に換気口を取り付けているお宅があります。これは屋根裏にこもった熱気や湿気を排出するために、軒裏天井に換気口を取り付けて換気するためです。
3.延焼防止
軒天は火事の際に延焼を防ぐ役割があります。
基本、火の手は下から上に向かって延焼します。軒天が無いと屋根裏まであっと言う間に焼け落ちてしまいます。軒天があることで屋根の延焼の拡大を防止してくれる役割があります。
こうしてみていくと、軒天は快適で安全な住まいを維持する役割を担っていることがわかります。軒天の役割を理解した上で、次は外観に合った色を選んでいきましょう。軒天は屋根が飛び出している部分ですので面積が少ないですが、意識してみると実は家の大切なアクセントになります。
軒天のおすすめ色はコレ!
軒天の色で外観の見えかたは変わります。家によって軒天が目立つ家、目立たない家など様々です。そのため、家に合わせて軒天の色を選ぶことは大事なことです。カラーシミュレーションを利用するなど後悔しないように色選びをしましょう。
ここではおすすめの色を紹介していきます。ぜひご参考にされてください。
白色
軒天の色に迷ったら白がおすすめです。軒天は家の中からも見ることが多く白であれば明るく見えます。
白は人気の色ですし、何色とでも相性がいいので迷ったら白はおすすめです。
クリーム系
こちらも比較的明るく、暖かいイメージのカラーになりますのでおすすめです。
また、外壁の塗装色としても選ばれる事が多い色ですので、外壁と軒天を同じ色にして家の統一感を出したいという方に多く選ばれています!
黒・グレー系
軒天は比較的明るめの色がおすすめですが、黒やグレーを選択されることも最近は多くなってきました。外壁色の黒にあわせて統一感を出すというのもおしゃれです。また外壁がホワイト・屋根がブラックといったようにスタイリッシュ性が高くメリハリのあるお住まいでは、軒天をあえてダークグレーや黒にするという事もあります。
アクセントにする
軒天をあえて変えるなど遊び心で使ってみるのもいいですね。軒天の見える範囲や外壁とのバランスも考えながらアクセントになる色を選ばれるのもいいと思います。
クリア塗装
木を使った軒天は柔らかみのある家にすることができます。木目調を活かしたい場合はクリア塗装を行いましょう。ただ、木材なので経年変化で色は変化していくため定期的なメンテナンスは必要になります。
軒天に木を使う以外にも、外壁と同じ仕上がりにするという方法もあります。たとえば外壁を吹き付け仕上げにした場合、軒天にもそのまま吹き付けを使うという仕上げです。その場合、軒天は外壁と同じ色見、仕上げになるのでより自然な仕上がりになります。また統一感があり落ち着いた雰囲気にすることができます。
軒天は外玄関の天井も含まれます。毎日の家の出入りやお客様を出迎える際に目に入る箇所なので玄関軒天の色選びは重要になりますね。あまり目立たない場所ですが、細かいところまで配色をすることで統一感やスタイリッシュなどオシャレなお家に仕上がります。
軒天の劣化症状
《色あせ》
外壁や屋根と違って、軒天は紫外線を受けにくいところになりますが、経年劣化で色あせや汚れの付着があります。
早急の修理はないですが、外壁塗装と一緒に塗り替えることで強度の増加や、防カビなどの効果も期待できます。
《シミ》
軒天にシミが出来ている場合は、雨漏りの危険性が高いです。軒天は屋根の最下部に位置しているため、屋根の内部に侵入した雨水が軒天の内側に到達し、軒天部分に雨染みなって現れます。
このように軒天部分に雨染みが広がった場合は、軒天の不具合ではなく屋根全体の不具合が発生している可能性が高いので放置せずに専門業者に点検を依頼することが重要です。雨漏りが進行している場合は、塗装によるメンテナンスではなく、軒天を丸ごと取り替える必要があります。
《剝がれ》
合板がところどころ破れていたり、ボードの塗膜が剥がれ落ちていたりするのは、見た目だけではなく強度も心配です。
塗り替えや交換などのメンテナンスをおすすめします。
《藻・カビ》
軒天内部が常に湿った状態になるとカビやコケが繁殖するようになります。この状態を放置を発見したら放置せずに修理をするようにしましょう。
《欠落・穴》
古くなった部分に穴が空いてしまう場合があります。この場合、雨水が入り込むだけではなく鳥や動物、昆虫などが入り込む可能性がある為、業者に連絡をして早急な対策が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日頃生活している上ではあまり軒天に注目することは無いかもしれませんが、実は軒天で家の印象が大きく左右されます。軒天は家全体のバランスもとってくれるので、色を変えると家全体が引き締まったように見えることもあります。塗装の際は、ぜひ軒天も意識して、トータルバランスのよい素敵な色を選んでください。
また軒天は快適な生活をおくるため
①美観性の向上
②屋根裏の換気
③延焼防止
といった重要な役割を担っていることがわかります。
小さな劣化症状でも放置しておかず気づいたら早めに専門の業者へご連絡下さい。